師走

 外に出なければ、何も感じず、感覚が麻痺する。空調のきいた外が見えない部屋では、今が春なのか、夏なのか、秋なのか、冬なのか、わからなくなり、だんだんとおかしくなってくる。さらに、昼か、夜かもわからなくなり、人間らしさ、つまり感情を失う。

 そのような環境から逃げ出したいが、動くことを体が拒否する。頭のなかは葛藤だらけだが、体や本能は何も変わらないまま、ただただ滅びることを欲す。それは、なぜだろうか。それは、理性に支配された頭にはわからないのだろう。